ラブ・ライフハック

「自由な毎日を過ごし、幸せに生きる」二人のブログ

苦い良薬、「これでいいのだ」

最近、彼女と漢方を飲みはじめた。

 

漢方薬局で診療してもらって、

オーダーメイドの漢方を処方してもらい、

毎日40分コトコト煮込む。

 

確か、漢方はポケモンのゲームでも

出てきたな、と不意に思い出す。

 

回復量は優秀だが、

好感度が下がってしまう

癖のあるアイテムだったと思う。

 

確かにあまりおいしいものではない。

与えられたポケモンたちの

好感度が下がるのも無理はないだろう。

 

そしてそのまずさに

比例するかのように

体は健康になっていく。

 

まさに、良薬は口に苦し。

 

彼女に強く勧められたので

興味本位で飲み始めたが、

 

もし彼女との関係がなかったら

間違いなく自分からは

手に取っていなかっただろう。

 

付き合ってから、彼女は僕に

いくつもの「苦い良薬」を

処方してくれた。

 

その中でも最も効き目があったのは、

 

「ヒロ君はどうしたいの?」

 

だった。

 

自分でいうのもなんだが、

僕は所謂「優しくていいやつ」

だったと思う。

 

他人を攻撃することもないし、

お願いや相談もよく聞いた。

 

他人の嫌がることも比較的

率先してやるタイプだった。

 

そして、何より

「誰かのためになること」に

強い満足感を得ていたのだ。

 

よく言えば利他的、献身的。

優しくて、親切な良い人。

 

困った他人を見かけたら

自分を犠牲にしてでも

助けたくなってしまうタイプだ。

 

だから、一番苦手だったのは

「自分の欲に正直になること」だった。

 

友達とご飯に行くときも、

相手の食べたいものを優先する。

 

遊びに行くときは、

自分のスケジュールを多少無理してでも

相手の都合のいい日に合わせる。

 

そういうタイプの人間だった。

 

もちろん、当時は

無理をしていた感覚などなかった。

 

僕は友達とどこに行こうが何をしようが、

その友達と過ごす時間が楽しかったし

(これは今でも変わらないが)、

 

そのために、自分のために

時間をとってくれることが嬉しかった。

 

だから、それ以外のこと、

スケジュールや場所なんて

正直、些細な問題であった。

 

だから、当時の僕の口癖は、

 

「俺は〇〇でいいや」

 

だった。 

 

誤解を招かないように説明すると、

この言い方には二つの意味がある。

 

「選択」と「妥協」だ。

 

具体的に言うと、

 

バカボンのパパの「これでいいのだ」は

「選択」の方だ。

 

自分で主体的にそれを選び、

そして十分に満足している。

 

言い方を変えると、

「で」を「が」に置き換えられる。

 

若干ニュアンスは変わるが、

「これがいいのだ」でも

趣旨はそれていないだろう。

 

そして、もう一方。妥協だ。

 

「お昼ごはん、うどんとそばなら

どっちが食べたい?」

という質問に答えるとき。

 

本当はラーメンが食べたいが、

その場にはうどんとそばしかない。

 

そんな状況で、仕方なく選ぶときに使う。

「俺はうどんでいいや」と。

 

それは主体的な選択というよりは、

限られた選択肢のうち

 

最も「まし」なものを

選んでいるに過ぎない。

 

もちろん、僕の口癖は後者だ。

全て、「妥協」してきた人間だった。

 

大学も、バイトも、そして就職も。

自分がどこに行って、

何をしたいかではなく、

 

「周りの期待する選択肢」の中で

「最もましなもの」を見つけて

選んできた人生だった。

 

けれど、彼女はそんな僕の考えを

その些細な口癖から見破った。

 

「ヒロ君は〇〇でいいや、

 ってよく言うね。」

 

最初に言われたとき、

初めて気が付いた。

 

それからというもの、

彼女はことあるごとに

 

「ヒロ君はどうしたいの?」

 

と聞いてくれるようになった。

彼女は僕がどうしたいか聞くとき、

加えてこう言っていた。

 

「ヒロ君、ヒロ君は自由だよ。

あなたの好きに行動していいの。」

 

最初は彼女のいう言葉の意味を

あまりわかっていなかった。

 

分からないなりに

行動に移してみよう、と

 

「〇〇でいいや、じゃなくって

 〇〇がいい、って言ってみる」

 

ことにした。

 

そんな時、運命か宿命か。

 

会社でトラブルが相次ぎ、

僕は会社に行くのが

本当に憂鬱になってしまった。

 

毎朝起きると体が重く、

そして毎晩帰ると

会社に行きたくないと泣いた。

 

だが、朝になると

また準備をして会社に行く。

 

そんな毎日が続いた。

 

ふと、気が付いてしまった。

 

「俺は、ここに居たくてここに居るのか?

 それとも、誰かのために居るのか?」

 

もちろん、毎日彼女に相談していた。

 

彼女はそんな僕の弱音を

一つ一つ、優しく受け入れてくれた。

 

そんなとき、ふと出た言葉がある。

 

「俺がこの会社を今やめてしまうと、

 ハルにも迷惑がかかるかもしれない」

 

そんなことを言ってしまった。

慰められるかと思ったのかもしれない。

 

だけど、ここで返ってきたのは

「苦い良薬」だった。

 

「私を言い訳にしないで。」

 

僕は気が付いた。

彼女を言い訳に、自分の気持ちを

ないがしろにしているのではないかと。

 

そして芋づる式に気が付いた。

 

僕は他人を言い訳に、

他人の期待を言い訳に

今まで選択をしてきたのだ、と。

 

それからというもの、

本当は自分がどうしたいのか

何度も何度も考えた。

 

「これは自分のしたいことか?

 それとも誰かの期待に

 こたえようとしているだけか?」

 

毎日自分に問いかけた。

 

そして、次第に

「ヒロ君はどうしたいの?」

と聞かれることはなくなっていった。

 

僕が勝手に好きなことを

するようになったからだ。

 

今では、もしラーメンが食べたいときに

「そばがいい?うどんがいい?」

と聞かれても、

 

「ラーメンが食べたいから

 ちょっと買ってくるわ!」

 

と、答えることができる。

…多分、めんどくさくて

結局うどんを食べるだろうが。

 

そして、僕は今、自ら選んで

彼女と過ごしている。

 

僕にとって誰よりもかけがえのない

大切なパートナー。

 

一生、できれば天国でも、

そして来世になっても

この先ずっと大切にしたいと思う。

 

それは妥協でも、

限られた選択肢の一つでもない。

 

僕が選ぶ、最善の選択。

最善の「これでいいのだ」。